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Tata, Zurich, Gibraltar, EICC, Candidates, RTCC, Grand prix
 Tata Steel Chess Tournament 2014 L.Aronian
 Aronianが最終日を待たずして単独優勝を決めた。最後はタイムトラブルからブランダーを指して敗けたものの、トータルでは圧勝といっていい成績で、Carlsenに次ぐ2が誰であるか証明してみせた。


 Zurich Chess Challenge M.Carlsen
 ClassicalとRapidの2つのタイムコントロールのトータルを競い、ClassicalをCarlsenが、RapidをCaruanaがトップを取り、トータルでCarlsenが優勝した。ClassicalでのCarlsenは強すぎて人間じゃねー、というツイートがチェス界Twitter勢の間で流れたほどだ。


 Tradewise Gibraltar Chess Festival I.Cheparinov(タイブレークでIvanchukとVitiugovを破る)
 Zurich Chess Challengeと日程が被っていたため、裏番組扱いになってしまった感もあるが、こちらにはIvanchuk、Kamsky、Lagraveなどが有名マスターが多数参加していて、充分豪華メンバーが揃っていた。

 
European Individual Championships Tournament A.Motylev
 大会期間中、私は仕事で多忙で、ほとんどLiveを観ていないので、結果だけ書いておく。


 World Chess Championship Candidates Tournament 2014 V.Anand
 前評判では本命Aronian、対抗馬にKramnikを挙げる声が大きかったが、蓋を開けてみれば、初日にAronianを破ったAnandが、一度も首位から陥落らぬままに優勝し、Carlsenとの再戦を取り付けた。
 本命視されていたAronianは後半、首位を走るAnandを追うべく、黒で局面をかき回そうと必死だったが、それが裏目に出て、下位に沈んだ。ファンの私の観戦モチベーションも日に日に沈んだ。
 なお久々に顔を合わせたKramnikとTopalovは未だに握手しなかった。


 Russian Team Chess Championship 2014  FIDE Women's Grand Prix 2014Khanty-Mansiysk
 現在進行しているのはロシアの2大会。チーム戦と女子のGrand prix。
 前者からTimofeevの棋譜を紹介する。


 
A.Timofeev vs L.Nozdrachev 1-0
 Russia Team Chess Championship 2014 (1)
 King's Indian Defense : Normal Variation. Rare Defenses


 

 29.Nf6+(上図)
 このNを取ってしまうと、29...Bxf6 30.gxf6 Qxf6 31.Ne4 Qg7 32.Rh7 でQを失う。

 29...Kg8 30.Nge4 Ne8
 本局は白のN2騎が実によく働く。
 センターと6段目で互いに連結したNは、時にダブルBやダブルRに勝る。
 だからここからの数手は強いNを維持するために駒損覚悟で押し寄せる。

 31.Rh8+! Bxh8 32.Rxh8+ Ke7 33.Rxe8+ Rxe8


 

 ダブルエクスチェンジサクリファイス!
 アウトポストを占めるナイトのために、Rを犠牲にしました。
 ここで単純に31.Nxe8?では大して旨味がなく面白くない。

 31.d6+ Kd8
 31...Kf8??は…フォークがありますね。

 32.Qxf7
 Qxe8#とQc7#のダブルスレット。

 32...Qc6 33.Kg3
 KをQの斜線上から外して、Nxe8に対して、黒Qxe4がチェックにならないようにした。
 手順としては34.Nxe8 Qxe4 35.Qe7+ Kc8 36.Qc7#ということ。

 33...a3 34.b3
 Fritzはこのaポーンを無視しても白勝ちと出したが、念のため反撃の糸口は完全に潰しておいたらしい。

 37...c4 38.Nxe8 cxb3 39.Qe7+ Kc8 40.d7+

 


 最後の仕上げにd6をナイトのために開けます。

 40...Qxd7 41.N4d6+ 1-0
 41...Kb7 42.Qxd7+でQロストはおろかチェックメイトも目前です。
 
 ルーク(移動櫓)が敵陣の牙城を崩し、騎士がなだれ込む、まるで中世の攻城戦のようなストーリーが盤上で再現され、最近、なんだか勝ちきれない私には眩しい一局でした。
author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 20:58
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2013年下半期の主要大会まとめ
 更新を放置していましたが、とりあえず2013年後半の主要大会の結果をまとめておきます。

 Women's World Championship Match Hu 5.5-1.5 Ushenina
 PCA Cup 2013 A.Grischuk
 World Junior Chess Championship 2013 
 Open 余泱漪 Girls A.Goryachkina
 Sinquefield Cup Tournament M.Carlsen
 Paris FIDE Grand Prix F.Caruana & B.Gelfand
 Topalov-Laznicka Match Topalov 4.0-2.0 Laznicka
 Baku Open 2013 P.Smirnov

 Bilbao Masters Tournament 2013 L.Aronian
 Kings Tournament 2013 F.Caruana
 66th Russian Championship Superfinals 
 P.Svidler I.Nepomniachtchi
 Cap D'Agde Tournament E.Bacrot
 FIDE World Team Championship 2013 
 Russia(Kramnik・Grischuk・Karjakin・Nepomniachtchi・Vitiugov)
 London Chess Classic 2013 N.Nakamura
 Anand-Carlsen World Championship Match 
 M.Carlsen 6.5-3.5 V.Anand
 
 2013年下半期のチェス界の一大ニュースとして、新チャンピオンM.Carlsenの誕生について触れないわけにはいきません。ド素人の私の印象は、『Kasparovの後継者だと思ったらKarpovになってた』で、終盤戦の強さが際立っていました。
 これでCarlsenはFIDEレイティングのトップに世界チャンピオンのタイトルも加わり、文句なしに世界最強のプレイヤーになりました。
 まだ23歳の彼が、果たして王位に何年君臨し続けるのか楽しみです。



 李超 vs L.Aronian 0-1
 
FIDE World Team Championship 2013
 Queen's Gambit Declined: General

 

 32.Rg3(上図)
 Aronianの実戦譜から目を惹いた局面を載せておきます。

 32...Nxh2!
 g5のRが浮いていますが、メイト包囲網を作るために捨てます。

 33.Rxg5
 33.Kxh2 Rh4+ 34.Kg1 Rxg3+は黒がエクスチェンジの駒得で、白にその代償がありません。

 33...Nxf3 34.Ra8+ Ke7 35.Ra7+ Kd6 0-1
 36...Rh4#のスレットがあり、それを防ぐ36.Rxh5には36...Rg4で37...Rg1#が避けられません。
 連続チェックが永久には続かない局面なので、白はここで投了です。
author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 02:44
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World Cup 2013
 World Cup 2013 V.Kramnik
 Kramnikの優勝は予想の範囲内だったが、強豪が順調に勝ち残るとは限らないのがノックアウト方式の怖いところで、特にTomashevskyの活躍が目を惹いた。Aronian、Morozevich、Kamskyを押しのけてベスト4に駒を進めた。
 選局は後述して、まずは他の大会の結果にも触れておく。


 14th Karpov Poikovsky tournament P.Eljanov
 最下位のCheparinovは最終日に何とか1勝したが、その1勝がなかなか面白い。
 I.Cheparinov vs E.Sutovsky 1-0
 Nフォークを指されるのを承知で14.Rg1-16.g4のダイレクトアタック。Kが戦場を闊歩するエキサイトな局面で黒のチェックを紙一重で躱して、気づけば逆に黒Kを追い詰めていた。


 Spanish Championship Tournament I.Salgado Lopez
 優勝者のゲームでチェックメイトの手筋が綺麗だったのが下図の局面。


 
 
 
A.Chueca Forcen vs I.Salgado Lopez 0-1
 Position after 43.Rb1


 43...f1=Q!
 このポーンをどうやってプロモーションさせるかではなく、成り捨ててしまう。

 44.Rxf1
 絶対手。白にf1をRで埋めさせてKの逃げ道を潰してしまう。

 44...Ra2+ 45.Kg1
 だからKの延命を図るならここで45.Rf2 Rxf2+ 46.Kg1とRを捨て返す必要があったのだが、結局それは駒損でアウト。

 45...Rg2+ 46.Kh1 Rxg3+ 47.Kh2 Rg2+ 48.Kh1 Ra2+ 0-1
 49.Kg1 Bh2# (Rを捨てて延命できるが実質無意味なので省略)
 Torre vs Laskerを彷彿させるコンビネーションでゲームセット。
 

 67th Moscow Blitz Championship Tournament S.Karjakin
 気になったのはUlko vs Morozevichで、どこかで見たことがあると思ったらTal MemorialのGelfand戦と同じ序盤を辿っていた。
 Gelfand戦では、Morozevichのエクスチェンジサクリファイスに対して、Gelfandがダブルエクスチェンジサクリファイスで切り替えして勝利している。
 今回は15...Be5が白の陣営を強固に抑え込む要石として働いた。
 白がfファイルを食い破れずにいる間にMorozevichがg・hポーンを押して寄せきった。


 閑話休題、World Cupの棋譜を紹介しよう。

 
G.Kamsky vs S.Mamedyarov 1-0
 World Cup 2013 4-1
 Sicilian Defense: Paulsen. Bastrikov Variation

 

 17...Ne4(上図)
 e4に入ったNを取る手はどれも良くない。
 18.Nxe4 dxe4はどちらかのBが落ちるかエクスチェンジダウン。
 18.Bxe4 dxe4もd2のBが浮いており、これを守って19.Rd1 b4では黒のQサイドの攻めが早い。それにb1-h7を貫く白マスBを手放しては攻めきれないだろう。
 一見ありそうな、18.Rxe4?! dxe4 19.Nxe4は19...h6で次に黒に20...Bxe4 21.Rxe4 Rxd2の狙いがあるために20.f5を突けない。20.Nd6 Bxd6 21.exd6 Qxd6 22.f5 e5からジリ貧でエクスチェンダウンによる劣勢が残る。
 さりとて18.Bc1などと逃げていると18...g6でf5を防がれて攻めが止まる。

 18.f5 Nxd2 19.fxe6 Ne4 20.exf7+ Kh8
 だから駒損を承知でポーンを食い込ませる。
 次に考えたのはe4に居座った黒Nを消して、白マスBを働かせること。

 21.Nxd5! Bxd5 22.Rxd5
 

 

 22...Bxe4?は23.Bxe4で黒K頭上が支えきれない。23...h6 24.Qf5で白勝ちです。
 あと特筆しておくべきは、21.Nxe4 dxe4 22.Rxe4には22...Rxd3があるので、本譜の手順が正着です


 22...g6 23.Ref4 Kg7?
 24.Bxg6を警戒しての23...Kg7だが、g6を守るのは23...Qc6が正着だった。

 24.e6
 23...Qc6ならこのポーンは突けなかったからだ。
 25.f8=Q+ Rxf8 26.Rf7+ Rxf7 27.Rxf7+ Kg8 28.Qxh7#のメイトスレットが出来ている。

 24...Rf8 25.Qe3
 今度はQを黒マスでプレイさせる。a1-h8のダイアゴナル上でチェックをかけたい。まずは26.Qd4+を狙う。

 25...Bc5
 防ぐ。

 26.Qe1
 今度は27.Qc3+狙い。

 26...Bd6 27.Rh4
 ちなみに26...Bb6は27.c4で28.Qc3+が実現する。

 27...Be7 28.Qe3 h5
 29.Qh6+ Kg8 30.Qxh7#を防ぐためにはこうするしかない。
 28...Bxh4? 29.Qd4+ Kh6 30.Qxh4+ Kg7 31.Qf6+ Kh6 32.Rf4 Qxf4 33.Qxf4+ Kg7 34.Qd4+ Kh6 35.Qxd5±

 29.Qd4+
 これでa1-h8のダイアゴナル上でチェックができた。

 29...Kh6 30.Rxh5+! 1-0

 


 30...gxh5 31.Rf6+ Kg7 32.Rg6+ Kh7 33.Qg7#
 30...Kxh5 31.Qxd5+ Kh6 32.Qe4 Rg8 33.Rf3
 ここから分岐はあるが詰む。一例を挙げておく。
 33...Qc5 34.fxg8=N+ Rxg8 35.Qf4+ Kg7 36.Qf7+ Kh6 37.Qxg8 Qh5 38.Qh8+ Kg5 39.Rg3+ Qg4 40.h4+ Kf4 41.Qb8+ Bd6 42.Qxd6#

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 05:43
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Dortmund Sparkassen Chess Meeting 2013
 Beijing FIDE Grand Prix 2013 S.Mamedyarov
 
Dutch Championship 2013 W.Spoelman
 
46th Biel Chess Festival M.V-Lagrave
 
Dortmund Sparkassen Chess Meeting 2013 M.Adams
 
100th British Championship D.Howell

 ドルトムンドはAdamsとKramnikの首位争いが盛り上がった。最終日に直接対決となったがあっさりDrawでAdamsが優勝。
 優勝者のゲームから私が選局するなら3Rの
F.Caruana戦
 中盤のアクティブなRの差し回しは27...Rxc3+!で最高潮を迎える。

 フィニッシュが美しかったのは
A.Naiditsch vs I.Khenkin 1-0
 

 

 33...Qxb6(上図)
 白は1ポーンダウンしましたが、ダブルBが気持ちよく貫通しています。Rもセブンスランクに配置されて何が起こる予兆は充分。

 34.Rxf7! Kxf7
 35.Rxf8#があるので取る以外ない。
 これでKを包囲網の中へ引っ張り出す。

 35.Qf4+ Ke8 36.Qxf8+ Kd7 37.Bb5+ 1-0
 最後はディフレクション(ずらし)で投了に追い込んだ。
 37...Qxb5 38.Qd6+ Ke8 39.Qe7# or 37...Kc7 38.Qe7+ Bd7 39.Qxd7#


 さて、今月のメインイベントはWorld Cup
 1回戦が終わって、Aronian、Caruana、KramnikなどスーパーGMは順当に突破。SvidlerとMorozevichが格下に黒星を喫して一瞬ひゃっとさせてくれたが、タイブレークで勝ち抜けた。
 私はL.Aronian、R.Robson、A.Dreevの3人を応援している。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 23:11
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Recent tournament in June
 Tal Memorial 2013 B.Gelfand
 GelfandはAlekhine Memorialに次いでこれで2大会目の優勝。

 Morozevichのエクスチェンジサクリファイスにダブルエクスチェンジサクリファイスで応酬

 FIDE World Rapid and Blitz Chess Championships
 Rapid S.Mamedyarov  Blitz Le Quang Lieml 

 French Team Championship 2013 Clichy (Jakovenko, Vachier-Lagrave, Fressinet, Van Wely, So, Rapport, Tregubov, Hamdouchi, Pelletier)
 Lagraveが対戦相手を27手でツークツワンクに追い込んだ一局が印象的。

 Ukrainian Championship 2013 Y.Kryvoruchko

 210手黒勝ち。私が今までチェックした実戦譜で最長。

 8th Edmonton International Tournament Z.Bruzon
 Bruzonが7勝2引と大暴れして、2位に大差をつけての優勝。


 66th Russian Championship Higher League Tournament E.Inarkiev

 Geneva Chess Masters 2013 S.Mamedyarov

 Cez Trophy Navara-Hou Match Hou 4.0-3.0 Navara
 Carlsen-Predojevic Rapid Match Carlsen 2.5-1.5 Predojevic



 6月はRapidでのMamedyarovの好調が目立った。
 もちろんClassicalでも良い棋譜がある。Tal Memorialの初戦だ。

 
H.Nakamura vs S.Mamedyarov 0-1
 Tal Memorial 2013 (1)
 
Queen's Gambit Declined: Ragozin Defense. Alekhine Variation


 

 19...Nxf2!(上図)
 白の乱れたキングサイドポーンを根本が崩して、白Kを丸裸にする。

 20.Kxf2 Bxf2 21.Kg1
 21...Bc5+と21...Ng4+を同時に防ぐ手がない。
 21.Nd4では21...Bc5 22.Be3 Qe5の後d4を支えきれなくなる。

 21...Bxg3
 これで白Kの前の3ポーンが全滅。加えてe1のRが逃げられずエクスチェンジだ。
 後は黒のN、Q、Rが頭上からドンドンドンとキングハントにやってきて10手後に白投了。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 04:28
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European Individual Championships 2013
 いつも通り、観戦していた大会の結果を記録しておく。

 Norway Chess Tournament 2013 S.Karjakin
 US Championships 2013 G.Kamsky
 European Individual Championships 2013 A.Moiseenko 他8人同点
 21st Sigeman & Co Tournament 
 N.Short R.Rapport N.Grandelius
 
Thessaloniki FIDE Grand Prix L.Dominguez

 これだけでは味気ないので各大会について走り書き。
 ノルウェーは同国のスターCarlsenを筆頭にAronian、Anand、Topalovら強豪が集まった中、Karjakinが単独優勝。BlitzもKarjakinが優勝と絶好調だった。この大会で気に入ったのは Radjabov vs Anand 0-1 で黒のポーンが魔法のようにスルスルと進んだ。

 全米選手権はKamsky優勝。アメリカのプレイヤーで私が気にかけているのは、現在ジュニア10位のR.Robsonで、白番の対Sicilian Defenseに魅力を感じる。黒番でもSicilianを愛用しており、今大会のShabalov戦は白がKサイド・黒がQサイドでポーンを伸ばして攻め合うこの定跡の本旨にそったインファイトで熱戦。

 21st Sigeman & Co Tournament からは Short vs Van Wely 1-0
 19手目でQを取らずにNを捨てたShortが攻めて攻めて張り倒す。


 欧州個人選手権はトップタイにベテランのA.BeliavskyとA.Dreevが名を連ねていたことが嬉しい
 老雄というとKorchnoiが真っ先に浮かぶが、今年還暦を迎えるBeliavskyもその尊称に相応しい。
A.Beliavsky vs A.S.Hagen 1-0 は0-0した白Kが、逆サイドまで闊歩したり、45手目のRのhファイルへの転換など、盤を大きく使ったダイナミックなプレイが印象的でした。

 FIDE Grand Prixは初戦で転んだDominguezが最終ラウンドで逆転優勝。
 KasimdzhanovがNakamuraに前回リベンジ成功
 
KamskyのDutch Defenseも見事だったし、Morozevichの一瞬の隙を見逃さなかったTopalovのRサクリファイスの一撃も見ておきたい。


 紹介棋譜は欧州個人選手権のNisipeanuから。

 L.D.Nisipeanu vs S.Gordon 1-0
 European Individual Championships 2013 (11)
 Nimzo-Indian Defense


 

 15...Bxd5(上図)
 cとdのポーンを捨てたが、代わりにダブルBの効きが通った。

 16.Bxf6 gxf6
 まずはこの交換でfダブルポーンを作らせて黒の陣形を乱す。

 17.Bxh7+ Kxh7 18.Nd4
 先に17.Nd4と指して17...f5と遮られても18.Bxf5! exf5 19.Nxf5 Qe4 20.Ne7+ Kh8 21.Qb2+ f6 22.Nxd5と進んで駒損が回復し、Kの防御力の差で白勝勢であるが、本譜の方が風通しが良くなって残ったQとRが存分に暴れられる。

 18...Rc8
 ここで18...Nd7ではもう遅い。19.Qh5+ Kg7 20.Qg4+ Kh7 21.Rd3で受けきれない。本譜のようにRc8→Rc3で3段目に上がってくる白Rと交換を持ちかける必要がある。

 19.Qh5+ Kg8 20.Qg4+ Kh7
 20...Kf8? 21.Nxe6+ fxe6 22.Qxb4+でQが落ちるので危険なキングサイドに留まるしかない。

 21.Rd3 Rc3 22.Qh3+ Kg7
 もう一方の逃げ道 22...Kg8 は 23.Rxc3 Qxd4 24.Rc8+ Kg7 25.Qh8+ Kg6 26.Rg8+ Kf5 27.Qh5+ Ke4 28.Rg4+ Kd3 29.Rd1+ と連続チェックで追われてQ落ち、Kがこの位置ではチェックメイトまで繋がっていると見ていい。

 23.Nf5!


 

 23.Rxc3 Qxd4でNが取られるならこっちから捨ててしまえ!!
 f列にトリプルポーンの壁を作らせて、e列を開放させる。

 23...exf5 24.Rxc3 Nd7 25.Rg3+ Kf8 26.Rd3 Qc4 27.Rad1 Bc6 28.Qh8+ Ke7 29.Rxd7+ Bxd7 30.Qxa8 Qxa2
 白のエクスチェンジアップ。このまま一気に押せそうだ。

 31.h4
 止めを刺しに行くのはhポーンの進軍。

 31...Qe2 32.Qd5 Qe6
 Bが逃げれば33.Qd8+ Ke6 34.Qd6#

 33.h5
 上記の詰みがあるので黒がこのポーンを止める手段がない。
 例えば33...Be8 34.h6 Kf8 35.Qxe6 fxe6 36.Rd8

 33...Qxd5 34.Rxd5 Be6 35.h6 1-0
 Rが逃げていては黒Kがhポーンのブロック間に合ってしまうが、見破ってプロモーションを確定させてところで決着。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 03:33
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Zug FIDE Grand Prix 2013
 4月末には下記2つビッグトーナメントが観戦のメインで、それぞれ優勝者の名前を記録しておく。

 Zug FIDE Grand Prix V.Topalov
 Alekhine Memorial 2013 L.Aronian B.Gelfand

 それでこれらから私が興味を持ったのが下図。

 
R.Kasimdzhanov vs H.Nakamura 0-1
 Zug FIDE Grand Prix 2013 (6)
 Ruy Lopez : Cozio Defense


 

 25...Rce8(上図)
 次はNをどっちに退くのかな、と思っていたら、大砲が撃ち込まれた。
 すなわち26.Rxd6!?がLive中継に映し出された。俺大興奮である。

 26.Rxd6!? cxd6 27.Rxd6
 まぁこれは取るよね。

 27...Ng4
 27...Rxe7 28.Qxe5は白にQxh8+とd6のRが動くことによるディスカバリーチェックのダブルスレットができて辛い。
 またこの手は28...Qxf2+の反撃を見せている。

 28.Rb6(下図)


 

 黒QをOut of Play!
 白にはBxa6やNc6+の狙いがありRを捨てた代償は充分あるように思う。
 
 28...Ka8!
 だが、今回はNakamuraのディフェンスが完璧でした。
 Q交換まで最善手で応じてKasimdzhanovの攻撃を柳に風の如く受けきった。
 例えばここで28...Rc829.Nxc8 Rxc8 30.Qd4でg4のNが浮いているのが気になる。このNをどうにか延命させようと、30...Rxc2 31.f3 Nf2などとやっていると、32.Bxa6 Bc8 33.Qd8で窒息する。

 29.Bxa6 Rxe7 30.Qxh8+ Qb8 31.Qxb8+ Kxb8
 28手目のKの早逃げでb8が空いたことが活きている。
 この時点のマテリアルバランスはNと3ポーンの交換ということで均衡は取れている。

 32.Be2 Nf6 33.a6?
 残ったピースでなおもKに迫るKasimdzhanovだったが、ここは一度33.f3を挟んでセンターのポーンを大切にしておくべきところではないか?

 33...Nxe4
 特に何の代償を得ることなくeポーンが落ちた。

 34.Bf3 Bd5 35.h4 f5 36.Rxh5 g4 37.Be2
 ピースが少ない側から交換をするのは勇気がいるだろうが、正着は37.Bxe4でNを掃う一手。すでに攻守は入れ替わりNakamuraが白Kに迫っている状況なのだ。

 37...Nd2 38.Bd3 f4 39.Kh2 Re1 40.Rh8+ Ka7 41.axb7 Kxb7 0-1


 


 最終局面。白の連続チェックが途切れた瞬間、1...Nf3+! 2.gxf3 Bxf3で3...Rh1#が不可避になっている。
 サクリファイスの成否、もしくは正否はともかく、面白いゲームを観させてもらった。

 ※全日本選手権の記事は次の週末に書く予定です。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 22:50
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World Championship London Candidates Tournament 2013
 前回の更新から主なトーナメントの優勝者。
 Reykjavik Open 2013 W.So P.Eljanov B.Amin

 Zurich Chess Challenge Tournament 2013 F.Caruana
 Bunratty Chess Festival 2013(Masters) M.Adams

 World Championship London Candidates Tournament 2013
 え? Grand Prixとかどうなったの? 
 /人◕‿‿◕人\ 訳が分からないよ
 とにかくこの大会の優勝者がAnandへの挑戦権を得るらしい。
 
 本命Carlsen、対抗馬Aronianが大方の予想だったし、大会半ばまではこの2人が主役だったのだが…。
 まずAronianが後半から崩れて脱落、そしてCarlsenも12Rで黒星がついて首位陥落。変わって首位に立ったのがKramnikだった。ひっそりと後半戦4勝の猛追でした。
 でもまだ2試合残っていた。13RでCarlsenが勝って追いついた。ドラマは終わらない。最終戦、同ポイントなら勝ち星の多いCarlsenが挑戦権を得る。
 Carlsenは白番でSvidlerと、Kramnikは黒番でIvanchukとの対局。
 でも試合前に誰も予想していない結果が出た。2人とも負けたのだ。

 とにかくまぁ紆余曲折したが、結局優勝はM.Carlsenに落ち着いた。

 選局は優勝争いには絡まなかったが、ラスト2ラウンドを連勝で締めたSvidlerから。

 
P.Svidler vs V.Ivanchuk 1-0
 World Championship London Candidates Tournament 2013
 French Defense: Advance. Euwe Variation

 


 15.Ne5?!(上図)
 センターのポーンを捨てる斬新な一手。試しに手持ちのFritz12に分析させたが、五指の候補手にすら挙げてこなかった。
 d4のポーンが消えることで黒マスが通り、白の黒マスBが活躍するのだが、大局観に基づく人間的な捨て駒だと思う。

 黒はe6-e5を指せればセンターをポーンが支配する理想形だが、その暇を与えなかったSvidlerがお見事です。

 15...Ngxe5 16.dxe5 Nxe5 17.Bc5
 1ポーンを代償にBが好位置を確保。黒の0-0を妨げ、Kを危険なセンターに縛る。

 17...Nc4
 d6をカバーしつつb5の白馬を浮かせた。

 18.b3
 18.Bxc4 dxc4 19.Nd6+ Bxd6 20.Qxd6 b6はさほど良くならない。
 黒は21.Bd4なら21...Rd8からのディスカバリーアタックを用意して、0-0を伺ったり、あるいはアクロバティックだが、21...0-0-0で危険なセンターから避難することできる。他にもQf3-Qd5とQ交換に持ち込むなどの防御手段がある。
 というか、白マスBをここで消してしまうのは旨くない。

 18...b6
 ここでNが下がっていては手損。
 19.Nd6+ Bxd6 20.Bxd6を避けるのが黒の主張だ。
 ちなみに18...Bxb5 19.bxc4はセンターが開き、かなり危ない。手順・手数は分岐するけどが黒は崩壊するだろう。
 19...Bxc4 20.Bxc4 dxc4 21.Re1±
 19...dxc4 20.Bh5 g6 21.Qb1! gxh5 22.Qxb5+ Qd7 23.Qxc4±

 19.Bb4 a5 20.Bc3 Bxb5 21.Bh5! g6 22.Bxh8
 これで白エクスチェンジアップ。捨てたe5のポーンの以上のマテリアルを回収できた。

 22...gxh5 23.Re1!


 

 
 単純に23.bxc4と指さずに先に力を溜めておく。
 Nが逃げては24.Qxd5で白の25手目Qxa8 or Qxb5+ or Rxe6+などとても受けきれない。
 23.bxc4 Bxc4ではd5が守られてしまうから24.Qxd5と叩き割れない。

 23...Qf5 24.bxc4 Bxc4 25.Qd4 Bc7 26.Be5 0-0-0
 これで局面が一段落したが、マテリアルとキングの安全性で白が優勢だ。
 あとは解説を割愛しますが、もう一度エクスチェンジがあり、2R vs 2Bとなったが特に2B側に攻め手がなく、Ivanchukのタイムトラブルもあり、37手で白勝ちとなった。


 さて、次の世界チャンピオン戦はAnand vs Carlsenとなったわけだが、どちらが勝つだろうか?
 Carlsenが最強のトーナメントプレイヤーであることは疑いようがないが、マッチ形式での経験はAnandに分がある。
 どちらが勝つかは予想しづらいが先にリードした側がそのまま逃げ切るのではないかと思う。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 03:44
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GRENKE Chess Classic 2013
 選局はしないが、Tradewise Gibraltar TournamentでN.Vitiugovが、Moscow Open 2013でB.Savchenkoが優勝したことを記述しておく。

 GRENKE Chess Classic 2013
 Tataで不調だったF.Caruanaが名誉挽回の奮闘で優勝するか、と思われたが、9Rの白番でAdamsに敗れたことでAnandに追いつかれて最終日まで縺れた。そして10RはCaruanaとAnandは両者ともに黒番、まずAnandがSicilian Defenseで勝ち、これでCaruanaも勝つしかない状況で彼は1ポーン得の終盤を粘るもドロー、Anandの逆転優勝となった。

 D.Fridman vs A.Naiditsch 0-1
 GRENKE Chess Classic 2013 (6)
 King's Indian Defense: Orthodox Variation

 21...Ndf3+を皮切りにNaiditschのサクリファイスが冴えた名局なのだが、特に私の目を惹いたのは、2つのポーン捨てだ。

 

 27...f3+(上図)
 このポーンを取らせることで、黒マスBをe5-h2のダイアゴナルで活用したり、将来的にa8のRをセミオープンファイル化したf列で使うこともできる。また28.Bxf3と取らせることで白Kの退路を狭めている。

 28.Bxf3
 28.Kxf3 Ng5+は次に29...Qh3+や29...Rxh2があって指し難い。

 28...Ng5 29.Nf4
 もう29.Bg4 Qxg4+ 30.Qxg4 Bxg4で駒得を返上してでもQ交換して、黒の攻めを緩和できないかとも考えるが、31...Bh3+(Bf3+)の追撃や、h2のBが標的になっていて、止められない。

 29...Rxh2+! 30.Kxh2 Be5
 エクスチェンジサクリファイスでKを黒マスに呼び出してピン。あとf3の守りから白Kが外れたのも大きい。そこでより強力な手としてFritzは30...Qf7を挙げている。Nが逃げればの31...Nxf3+だし、Qが退いたことで眠っていた白マスBが展開可能となる。

 31.Kg2
 ピンを外すことで31...Qh3+から早逃げ。このチェックが決まれば黒の必勝と言って差し支えないので、避けるのは当然だ。

 31...Bxf4 32.Rh1 Qg7 33.Kf1 Be6 34.Nd4 Bc4+ 35.Be2 Nxe4 36.Bxc4 Ne2+ 37.Ke2 d5!


 

 一見して意味が解らなかった。普通に取り返す37...Nxc4が悪いわけではないが、f3とf1をNで抑えておくことで38...Re8+に対してKf1と引かせない。またこのポーンを取らせてBを退かせてc列を開けることで詰む。
 38.Bxd5 Re8+ 39.Kd3 Qg6+ 40.Kc3 Rc8+ 41.Kb4 Qd6+ 42.Ka4(Ka5) Qa6+ 43.Kb4 Bd6#
 いきなり37...Re8+だと38.Kd3 Qg6+ 39.Kc3で一度チェックが途切れ、白に反撃の余地を残す。
 他に37...Qxd4も考えられるが、38.Rxh7+ Kxh7 39.Qh1+ Kg6 40.Rg1+の強襲を受けきる必要があり、リスキーである。


 38.Qc2 Re8+ 39.Kd1 Nxc4 40.Qc3 Re4 41.Nf5 Nxb2+ 42.Kc2 Re2+ 43.Kb3 Qxc3+ 44.Kxc3 Be5+ 45.Nd4
.Re4 0-1
 ちなみに45.Kb3は45...Nc4で(△46...Rb2+ 47.Ka4 b5#)を避ける46.Rb1に対して46...Nd2+ 47.Kb4 Nxb1 48.Rxb1 Rxf2となりこちらもポーン数が大差。

 結局Naiditschは+3-5=2と負け越したが、引き分けに満足しないファイティングスピリットを感じる成績は、観戦していて応援したくなる。
author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 06:12
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Tata Steel Chess Tournament 2013
 Tata Steel Chess Tournament 2013
 A組はM.Carlsenが圧倒的な成績で優勝。最終日前にはすでに単独優勝を確定させていた。後半Aronianが怒涛の追い上げを見せるも、Carlsenもそれとほぼ同じぐらいに勝ちまくったので一向に差が縮まらない。結局大会中頃から影を踏ませぬ形での逃げ切りとなった。
 また今回特筆すべきはAnandの復活で、昨年は世界チャンピオンのタイトルこそ防衛したものの、主要大会の優勝から遠ざかり、Carlsen、Aronian、Kramnik等の活躍に隠れがちだったが、下記のゲームでは相性の悪いAronianを23手で退け、世界チャンピオンの器を見せつけている。


 
L.Aronian vs V.Anand 0-1
 Tata Steel Chess Tournament 2013 (4)
 Semi-Slav Defense: Meran Variation

 1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 e6 5.e3 Nbd7 6.Bd3 dxc4 7.Bxc4 b5 8.Bd3 Bd6 9.O-O O-O 10.Qc2 Bb7 11.a3 Rc8 12.Ng5 c5!
 

  
 
 12...Bxh2+ 13.Kxh2 Ng4+ 14.Kg1 Qxg5が浮かぶが、まずは白マスBの利きを通した。上記のBxh2+のアイデアはこのポジションではまだ早く、15.f3!(15.Bxh7+ Kh8 16.Be4 Qh4は黒良し) Ngf6 16.e4 Qh5と進み、白は1ポーンを代償に厚いセンターを手にしているため、それほど効果的な一撃ではない。
 ただし、Nimzowitschの言葉を借りれば『脅しは実行より、存在する方が脅威である』わけで、白はこのBxh2+を気にしなければならない。


 13.Nxh7
 b5とh7のポーンが取れそうだが、黒のBxh2+-Ng4+-Qxg5でNを取り返されるのを避けるためにg5からNを退かすこの取り方になった。

 13...Ng4 14.f4
 14.h3が堅実だが、f4-f5を目指しつつ、黒マスBの利きを遮り、h7のNをg5に帰還させる足場になるなど複数の意味を持つf4突きが魅力的に映ったのだと思う。


 14...cxd4 15.exd4 Bc5!!


 

 私がLive中継で観戦し始めた時にちょうどこの局面だった。Aronianは長考に沈む。
 16.dxc5 Nxc5で白はBの行き場に困る。次の17...Qd4+が強力だ。例えば17.Be2 Qd4+ 18.Kh1 Nf2+  19.Rxf2 Qxf2は20...Qxg2#と20...Qe1#が同時には受からない。
 正着は17.Nxf8 Qd4+ 18.Kh1 Nxd3 19.h3 Ndf2+ 20.Rxf2 Nxf2+ 21.Kh2 Kxf8で苦しいが、Fritzは一番マシと評価した。

 16.Be2 Nde5!
 Anandの冴えた好手が続く。d4を取りチェックをかけるのはBではなくQの方がより強力(
16...Bxd4+ 17.Kh1 Nf2+ 18.Rxf2 Bxf2 19.Nxf8 Nxf8 20.Bf3 Bxf3 21.Qxf2 Bb7=ではせっかくのチャンスを逃してしまう)なので、Nをd列から退かし、Qの利きを通した。
 もし17.fxe5??なら17...Qxd4+ 18.Kh1 Nf2+ 19.Kg1 Nh3+ 20.Kh1 Qg1+ 21.Rxg1 Nxf2#のスマザーズメイト(窒息詰め)。
 前述したが、黒Qf2と飛び込まれては白は必敗なので、BもNも取れない。

 

 17.Bxg4 Bxd4+

 今度は白Qの利きがf2を守っているので、黒のQはd4よりd8-h4の飛び出しを見越している。

 18.Kh1 Nxg4 19.Nxf8 f5!

 

  

 150キロの剛速球の後に110キロのスローカーブが来たような感覚。
 e6がバックワードポーンになるので見えにくいが、重要なのは20.Qh7を防ぐことで黒の攻めが継続できる点だ。
 19...Kxf8 20.Qh7は黒優勢ながら複雑化するし、19...Qh4 20.Qh7+ Qxh7 21.Nxh7 Kxh7ではエクスチェンジダウンに終わる。

 20.Ng6 Qf6 21.h3 Qxg6
 黒のQがh列、Kの頭上に来るのを少しでも遅らせようとしているが、すでに苦しい。

 22.Qe2 Qh5 23.Qd3 Be3 0-1
 決定打も洒落ている。
Anandの完勝譜だ。24...Qxh3+からの詰めを回避するにはh3の守りを継続させなければいけないが、24.Qxe3 Nxe3ではもう勝負にならない。
 
 Aronianはこの敗戦でギアを入れ替えたのか、5Rから5勝4引で最終的に単独2位まで上がった。僅差で負けるよりは完敗の方が気持ちを切り換えやすかったのだろう。翌日の休息日もプラスに作用した思う。

 Carlsenが飛びぬけていたが、AnandとAronianの成績も例年なら優勝でもおかしくかった。
author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 06:00
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