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Aronian can’t play in Azerbaijan.
 Chess Base NewsにAronianファンとしては気になる記事が載った。原文はこちら

 要約するとAronianが世界チャンピオン戦の候補者決定戦をアゼルバイジャンで行わないようにしてほしいとFIDEに嘆願している。
 アルメニアとアゼルバイジャンはナゴルノ・カラバフ戦争で休戦状態で、両国間の関係は緊張状態にある。アゼルバイジャンで開催されては試合に集中できず、平等な条件下での対局が望めない。というのが彼の主張だ。
 
 私はFIDEが要求を飲む可能性は低いと見ている。CarlsenがCandidates Tournamentのサイクルから抜け出すと宣言しても引き止めなかった組織が、いまさらこのような主張に耳を貸すとは思えない。某球団オーナーの『たかが選手』発言を思い出す。

 チェス界が現実世界の政治に影響された例は枚挙に暇がない。世界チャンピオン戦に関わる話だとKeresやRubinsteinは戦争や政治の被害者だろう。Fischerだってソ連という国家を相手に回して戦ったようなものだ。

 チェスは政治、経済、宗教、人種、思想、性別などの垣根を越えて万人に平等にあらねばならないという考えは正しいと思う一方で、このような駆け引きは部外者にとって野次馬根性をそそる。私もその性質(タチ)だ。この顛末は気になる。

 私が懸念しているのは、Carlsenに続き、Aronianまで抜けられると世界チャンピオン戦の有名無実化が進むのではないかということだ。彼らのようなタイトル戦に絡んで然るべき棋力の持ち主が、その機会なく、全盛期を消費していくのは寂しいではないか。
author:ゆずゆぐ, category:Trickster 〜 Levon Aronian 〜, 00:48
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Trick 1 Zugzwang

 

 誰にでも少年時代に憧れるヒーローのような存在が1人や2人いるものです。
 私が高校時代に最も影響を受けたのはAronianで、tournamentのLiveも彼の試合をメインに観戦していました。もちろんそれは今も変わりません。

 私の持っているAronianのイメージはTrickster。しばしば観戦者の予想の斜め上から指し手を繰り出し、対戦相手や観客を楽しませてくれる人です。
 そんな彼のゲームから興味深いポジションや鮮烈なコンビネーションをピックアップしてシリーズで紹介していきます。

 初回である今回は盤上のキャンバスに壮大な絵を描いたようなzugzwangです。
 
 
A.Shirov vs L.Aronian
 Tal Memorial 2006 (4) Moscow
 Ruy Lopez Marshall Attack

 

 48...Ke8(上図)
 白はBを犠牲にしてポーンをh7まで進めてあと少しで昇格というところ。Kもg7まで上げて万々歳だったのだが、ここからAronianの時間だった。彼はRを逃がすわけでも自棄になってRxh7+?と捨てるわけでもなく、ただKを1マス下げただけだったが、それで白は指し手を失ってしまう。
 おそらくShirovは罠に嵌ったことに気付き、ここで投了しても良かったのだろうけど、この後の手順の美しさを盤上に再現するために指し続けたのではないだろうか?

 
49.Kg6
 49.Kxh8?は49...Kf8でKがh8に閉じ込められる。以下、50.h4 Kf7 51.h5 Kf8 52.h6 Kf7 53.d5 cxd5 54.b3 cxb3 55.c4 b2 56.cxd5 b1=Q 57.d6 Qb8#
 この仕掛けがあるので白はh8にあるRを捕ることができなくなっています。

 49...Kf8 50.h4
 白Kg6、黒Kf8の局面で手番を白に渡すと白はhポーンを前進させる以外に手がない!!

 50...Ke7 51.Kg7 Ke8 52.Kg6 Kf8 53.h5 Ke7 54.Kg7 Ke8 55.Kg6 Kf8 56.h6 Ke8
 とうとうhポーンがこれ以上進めなくなりました。

 57.Kf6
 他に動かせる駒もないので仕方なくh7のポーンを放棄します。

 
 
 57...Rxh7 58.Kg6 Rf7 0-1
 59.h7 Rf8 60.Kg7 Rh8! 61.Kg6 Kf8 62.Kh6 Kf7 63.Kg5 Rxh7で白のhポーンがなくなって黒のR得だけが残ります。
 投了までの10手の間ずっとzugzwangが続くという珍事でした。

 余談ですが、この大会はAronianとLekoとPonomariovの3人が5.5/9で同時優勝でした。
 当時3強であるToparov、Kramnik、Anandは不在ながら若き日のCarlsen(今の彼からは想像できない結果だが2敗7引で1つも勝てなかった)や、Morozevich等の強豪が参加しており、Aronianは今回紹介したShirov戦に加えてこの2人勝っている。
 私はToparov、Kramnik、Anandに加えAronianとCarlsenが0年代後半のベスト5だと思います。

author:ゆずゆぐ, category:Trickster 〜 Levon Aronian 〜, 03:05
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