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European Individual Championships 2013
 いつも通り、観戦していた大会の結果を記録しておく。

 Norway Chess Tournament 2013 S.Karjakin
 US Championships 2013 G.Kamsky
 European Individual Championships 2013 A.Moiseenko 他8人同点
 21st Sigeman & Co Tournament 
 N.Short R.Rapport N.Grandelius
 
Thessaloniki FIDE Grand Prix L.Dominguez

 これだけでは味気ないので各大会について走り書き。
 ノルウェーは同国のスターCarlsenを筆頭にAronian、Anand、Topalovら強豪が集まった中、Karjakinが単独優勝。BlitzもKarjakinが優勝と絶好調だった。この大会で気に入ったのは Radjabov vs Anand 0-1 で黒のポーンが魔法のようにスルスルと進んだ。

 全米選手権はKamsky優勝。アメリカのプレイヤーで私が気にかけているのは、現在ジュニア10位のR.Robsonで、白番の対Sicilian Defenseに魅力を感じる。黒番でもSicilianを愛用しており、今大会のShabalov戦は白がKサイド・黒がQサイドでポーンを伸ばして攻め合うこの定跡の本旨にそったインファイトで熱戦。

 21st Sigeman & Co Tournament からは Short vs Van Wely 1-0
 19手目でQを取らずにNを捨てたShortが攻めて攻めて張り倒す。


 欧州個人選手権はトップタイにベテランのA.BeliavskyとA.Dreevが名を連ねていたことが嬉しい
 老雄というとKorchnoiが真っ先に浮かぶが、今年還暦を迎えるBeliavskyもその尊称に相応しい。
A.Beliavsky vs A.S.Hagen 1-0 は0-0した白Kが、逆サイドまで闊歩したり、45手目のRのhファイルへの転換など、盤を大きく使ったダイナミックなプレイが印象的でした。

 FIDE Grand Prixは初戦で転んだDominguezが最終ラウンドで逆転優勝。
 KasimdzhanovがNakamuraに前回リベンジ成功
 
KamskyのDutch Defenseも見事だったし、Morozevichの一瞬の隙を見逃さなかったTopalovのRサクリファイスの一撃も見ておきたい。


 紹介棋譜は欧州個人選手権のNisipeanuから。

 L.D.Nisipeanu vs S.Gordon 1-0
 European Individual Championships 2013 (11)
 Nimzo-Indian Defense


 

 15...Bxd5(上図)
 cとdのポーンを捨てたが、代わりにダブルBの効きが通った。

 16.Bxf6 gxf6
 まずはこの交換でfダブルポーンを作らせて黒の陣形を乱す。

 17.Bxh7+ Kxh7 18.Nd4
 先に17.Nd4と指して17...f5と遮られても18.Bxf5! exf5 19.Nxf5 Qe4 20.Ne7+ Kh8 21.Qb2+ f6 22.Nxd5と進んで駒損が回復し、Kの防御力の差で白勝勢であるが、本譜の方が風通しが良くなって残ったQとRが存分に暴れられる。

 18...Rc8
 ここで18...Nd7ではもう遅い。19.Qh5+ Kg7 20.Qg4+ Kh7 21.Rd3で受けきれない。本譜のようにRc8→Rc3で3段目に上がってくる白Rと交換を持ちかける必要がある。

 19.Qh5+ Kg8 20.Qg4+ Kh7
 20...Kf8? 21.Nxe6+ fxe6 22.Qxb4+でQが落ちるので危険なキングサイドに留まるしかない。

 21.Rd3 Rc3 22.Qh3+ Kg7
 もう一方の逃げ道 22...Kg8 は 23.Rxc3 Qxd4 24.Rc8+ Kg7 25.Qh8+ Kg6 26.Rg8+ Kf5 27.Qh5+ Ke4 28.Rg4+ Kd3 29.Rd1+ と連続チェックで追われてQ落ち、Kがこの位置ではチェックメイトまで繋がっていると見ていい。

 23.Nf5!


 

 23.Rxc3 Qxd4でNが取られるならこっちから捨ててしまえ!!
 f列にトリプルポーンの壁を作らせて、e列を開放させる。

 23...exf5 24.Rxc3 Nd7 25.Rg3+ Kf8 26.Rd3 Qc4 27.Rad1 Bc6 28.Qh8+ Ke7 29.Rxd7+ Bxd7 30.Qxa8 Qxa2
 白のエクスチェンジアップ。このまま一気に押せそうだ。

 31.h4
 止めを刺しに行くのはhポーンの進軍。

 31...Qe2 32.Qd5 Qe6
 Bが逃げれば33.Qd8+ Ke6 34.Qd6#

 33.h5
 上記の詰みがあるので黒がこのポーンを止める手段がない。
 例えば33...Be8 34.h6 Kf8 35.Qxe6 fxe6 36.Rd8

 33...Qxd5 34.Rxd5 Be6 35.h6 1-0
 Rが逃げていては黒Kがhポーンのブロック間に合ってしまうが、見破ってプロモーションを確定させてところで決着。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 03:33
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全日本選手権2013/5月、6月(S89)の予定
 5月1日〜6日の全日本選手権に参加してきました。全日本初参加です。※最終日は仕事でBye申請。
 結果は10戦で2勝4敗4引の4.0/10。


 
順位表とクロステーブルはこちら

 1つ勝つのがどれだけ大変か思い知らされましたよ。
 あと自分のメンタルが弱さ…。勝ちをDrawに、Drawを敗けに、と手中に入れていたポイントをポロポロ零していては良い成績は残りませんね。


 それでもハイレベルな中で対局は良い刺激になりました。来年も出られるように頑張ろうという気持ちになります。

 2000 over と指した南條戦、Alex戦、杉本戦(敬称略)のどれかについて書こうと思ってましたが、前者2つは10番ボードより上で指したので、後々JCAのHPに掲載されるでしょうから、杉本さんとのゲームを自戦記として紹介します。

 8R □Sugimoto,K(1989-2027) ■Takada,Y(UR-1818)

 1.d4 d5 2.c4 dxc4 3.Nf3 Nf6 4.e3 e6 5.Bxc4 c5 6.Qe2 a6 7.dxc5 Bxc5 8.O-O O-O 9.e4 e5? 10.h3 h6?? 11.Nxe5 Qd4 12.Nxf7! Rxf7 13.Rd1


 

 序盤から大失敗してこのポジション。開始約30分で絶望的です。
 正直もう投了してしまいたかったところですが、直前の7Rで敗けているだけに連敗は避けたいと意固地になって指し続けます。

 13...Qe5 14.Rd8+ Kh7 15.Bxf7 Nc6 16.Rd1?!
 正着は16.Rd3でこれなら黒の次の反撃が成立せず危なげなく白が勝っていたでしょう。

 16...Bxh3
 他に黒がこの局面を打開する手がありません。
 座して死ぬよりは例え失敗に終わろうとも前に、です。

 17.gxh3
 取らなければ、17...Ng4(△18...Bxf2+ or Qh2+)が入るのでここは取る一手です。

 17...Qg3+ 18.Kf1 Qxh3+ 19.Ke1


 

 反省しなければいけないのはこのポジションを勢いだけで指してしまったことです。どうせ13.Rd1の時点で一度は死んだゲーム、連続チェックから詰みまで繋がっていなければ敗け、と囚われてしまっていたのが、目を曇らせました。

 19...Qh1+??
 検討で出た正着は19...Ne5で20...Nf3+とNxf7のダブルスレット。
 もしくはFritzが出した19...Rf8からのf2へのプレッシャー強化。
 冷静に力を溜めてから攻撃に出れば、黒が主導権を握って白からミスを引き出すことができたかもしれません。
 この後はもうノーチャンスでした。黒の攻撃が途絶え、白のQサイドの駒が展開されてはもうどうしょうもありません。

 20.Kd2 Nxe4+ 21.Kc2 Nb4+ 22.Kb3 Qh3+ 23.Nc3 Nxf2 24.Rf1 Nfd3 25.Be6 Qg3 26.Qe4+ Kh8 27.Bf4 Qh4 28.Bc4 a5 29.Bxd3 1-0

 チェスは可能性を追う行為である、というのが私が今回の全日本で得た教訓です。諦めてしまっては反撃のチャンスを素通りしてしまうし、妥協してしまっては1ポイントを取ることは出来ない。


 さて、S89の予定ですが、上記の全日本選手権以外だと、6月23日()の
東海オープン2013に参加する予定です。
 快速選手権の参加はまだ未定です。早指しは苦手なのであまり乗り気はしないので、多分出ない可能性が高いですが、気分次第です。
 レイティングは1818(-6)でまたも微減。1800を割りそうで割らないので次の更新も大丈夫だと信じたいですが、全日本の成績が悪いので今度こそダメかもしれません。

author:ゆずゆぐ, category:Chess Diary, 01:35
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Zug FIDE Grand Prix 2013
 4月末には下記2つビッグトーナメントが観戦のメインで、それぞれ優勝者の名前を記録しておく。

 Zug FIDE Grand Prix V.Topalov
 Alekhine Memorial 2013 L.Aronian B.Gelfand

 それでこれらから私が興味を持ったのが下図。

 
R.Kasimdzhanov vs H.Nakamura 0-1
 Zug FIDE Grand Prix 2013 (6)
 Ruy Lopez : Cozio Defense


 

 25...Rce8(上図)
 次はNをどっちに退くのかな、と思っていたら、大砲が撃ち込まれた。
 すなわち26.Rxd6!?がLive中継に映し出された。俺大興奮である。

 26.Rxd6!? cxd6 27.Rxd6
 まぁこれは取るよね。

 27...Ng4
 27...Rxe7 28.Qxe5は白にQxh8+とd6のRが動くことによるディスカバリーチェックのダブルスレットができて辛い。
 またこの手は28...Qxf2+の反撃を見せている。

 28.Rb6(下図)


 

 黒QをOut of Play!
 白にはBxa6やNc6+の狙いがありRを捨てた代償は充分あるように思う。
 
 28...Ka8!
 だが、今回はNakamuraのディフェンスが完璧でした。
 Q交換まで最善手で応じてKasimdzhanovの攻撃を柳に風の如く受けきった。
 例えばここで28...Rc829.Nxc8 Rxc8 30.Qd4でg4のNが浮いているのが気になる。このNをどうにか延命させようと、30...Rxc2 31.f3 Nf2などとやっていると、32.Bxa6 Bc8 33.Qd8で窒息する。

 29.Bxa6 Rxe7 30.Qxh8+ Qb8 31.Qxb8+ Kxb8
 28手目のKの早逃げでb8が空いたことが活きている。
 この時点のマテリアルバランスはNと3ポーンの交換ということで均衡は取れている。

 32.Be2 Nf6 33.a6?
 残ったピースでなおもKに迫るKasimdzhanovだったが、ここは一度33.f3を挟んでセンターのポーンを大切にしておくべきところではないか?

 33...Nxe4
 特に何の代償を得ることなくeポーンが落ちた。

 34.Bf3 Bd5 35.h4 f5 36.Rxh5 g4 37.Be2
 ピースが少ない側から交換をするのは勇気がいるだろうが、正着は37.Bxe4でNを掃う一手。すでに攻守は入れ替わりNakamuraが白Kに迫っている状況なのだ。

 37...Nd2 38.Bd3 f4 39.Kh2 Re1 40.Rh8+ Ka7 41.axb7 Kxb7 0-1


 


 最終局面。白の連続チェックが途切れた瞬間、1...Nf3+! 2.gxf3 Bxf3で3...Rh1#が不可避になっている。
 サクリファイスの成否、もしくは正否はともかく、面白いゲームを観させてもらった。

 ※全日本選手権の記事は次の週末に書く予定です。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 22:50
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World Championship London Candidates Tournament 2013
 前回の更新から主なトーナメントの優勝者。
 Reykjavik Open 2013 W.So P.Eljanov B.Amin

 Zurich Chess Challenge Tournament 2013 F.Caruana
 Bunratty Chess Festival 2013(Masters) M.Adams

 World Championship London Candidates Tournament 2013
 え? Grand Prixとかどうなったの? 
 /人◕‿‿◕人\ 訳が分からないよ
 とにかくこの大会の優勝者がAnandへの挑戦権を得るらしい。
 
 本命Carlsen、対抗馬Aronianが大方の予想だったし、大会半ばまではこの2人が主役だったのだが…。
 まずAronianが後半から崩れて脱落、そしてCarlsenも12Rで黒星がついて首位陥落。変わって首位に立ったのがKramnikだった。ひっそりと後半戦4勝の猛追でした。
 でもまだ2試合残っていた。13RでCarlsenが勝って追いついた。ドラマは終わらない。最終戦、同ポイントなら勝ち星の多いCarlsenが挑戦権を得る。
 Carlsenは白番でSvidlerと、Kramnikは黒番でIvanchukとの対局。
 でも試合前に誰も予想していない結果が出た。2人とも負けたのだ。

 とにかくまぁ紆余曲折したが、結局優勝はM.Carlsenに落ち着いた。

 選局は優勝争いには絡まなかったが、ラスト2ラウンドを連勝で締めたSvidlerから。

 
P.Svidler vs V.Ivanchuk 1-0
 World Championship London Candidates Tournament 2013
 French Defense: Advance. Euwe Variation

 


 15.Ne5?!(上図)
 センターのポーンを捨てる斬新な一手。試しに手持ちのFritz12に分析させたが、五指の候補手にすら挙げてこなかった。
 d4のポーンが消えることで黒マスが通り、白の黒マスBが活躍するのだが、大局観に基づく人間的な捨て駒だと思う。

 黒はe6-e5を指せればセンターをポーンが支配する理想形だが、その暇を与えなかったSvidlerがお見事です。

 15...Ngxe5 16.dxe5 Nxe5 17.Bc5
 1ポーンを代償にBが好位置を確保。黒の0-0を妨げ、Kを危険なセンターに縛る。

 17...Nc4
 d6をカバーしつつb5の白馬を浮かせた。

 18.b3
 18.Bxc4 dxc4 19.Nd6+ Bxd6 20.Qxd6 b6はさほど良くならない。
 黒は21.Bd4なら21...Rd8からのディスカバリーアタックを用意して、0-0を伺ったり、あるいはアクロバティックだが、21...0-0-0で危険なセンターから避難することできる。他にもQf3-Qd5とQ交換に持ち込むなどの防御手段がある。
 というか、白マスBをここで消してしまうのは旨くない。

 18...b6
 ここでNが下がっていては手損。
 19.Nd6+ Bxd6 20.Bxd6を避けるのが黒の主張だ。
 ちなみに18...Bxb5 19.bxc4はセンターが開き、かなり危ない。手順・手数は分岐するけどが黒は崩壊するだろう。
 19...Bxc4 20.Bxc4 dxc4 21.Re1±
 19...dxc4 20.Bh5 g6 21.Qb1! gxh5 22.Qxb5+ Qd7 23.Qxc4±

 19.Bb4 a5 20.Bc3 Bxb5 21.Bh5! g6 22.Bxh8
 これで白エクスチェンジアップ。捨てたe5のポーンの以上のマテリアルを回収できた。

 22...gxh5 23.Re1!


 

 
 単純に23.bxc4と指さずに先に力を溜めておく。
 Nが逃げては24.Qxd5で白の25手目Qxa8 or Qxb5+ or Rxe6+などとても受けきれない。
 23.bxc4 Bxc4ではd5が守られてしまうから24.Qxd5と叩き割れない。

 23...Qf5 24.bxc4 Bxc4 25.Qd4 Bc7 26.Be5 0-0-0
 これで局面が一段落したが、マテリアルとキングの安全性で白が優勢だ。
 あとは解説を割愛しますが、もう一度エクスチェンジがあり、2R vs 2Bとなったが特に2B側に攻め手がなく、Ivanchukのタイムトラブルもあり、37手で白勝ちとなった。


 さて、次の世界チャンピオン戦はAnand vs Carlsenとなったわけだが、どちらが勝つだろうか?
 Carlsenが最強のトーナメントプレイヤーであることは疑いようがないが、マッチ形式での経験はAnandに分がある。
 どちらが勝つかは予想しづらいが先にリードした側がそのまま逃げ切るのではないかと思う。

author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 03:44
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大阪府選手権2013
 行くかどうか迷っていましたが、参加してきました。
 2.5/4で2位。全日本の参加権を、最後の最後で獲得できました。
 
 最終日の5月6日を仕事の都合上Byeにせざるを得ないのが残念ですが、初めての全日本選手権で、強豪たちの胸を借りてこようと思います。
 10試合で5ポイント、半分を目安として頑張ります。


 全日本ネタ枠にならないように気合い入れて臨みますよ。

author:ゆずゆぐ, category:Chess Diary, 23:36
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百傑戦2013
 3/6(3勝3敗) 当然ながら全日本への参加権は獲れず。
 ゴールデンオープンに切り替える…。

 内容よりも危機感を感じているのは気持ちのことで、初心者の時に持っていた、勝ち負けよりもチェスを指すこと自体が楽しいという純粋な感覚が薄れてきている。これが怖い。

 次はあまり気負わず、勝負そのものを楽しむ余裕を持って盤に向かおうと思う。

author:ゆずゆぐ, category:Chess Diary, 23:30
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静岡県選手権2013
 〜静岡県選手権2013
 優勝は神田さん、全日本の参加権を獲得なされました。おめでとうございます。
 私は3/4で14人中2-4位グループのタイブレーク判定4位でした。
 開始時のリストは2でしたからこの結果は不甲斐ないと言われても仕方ありません。2ラウンドで倍井さんのReverse Dutchに完敗して優勝戦線から離脱です。

 半月後の百傑戦で権利獲得できるように頑張ります。
author:ゆずゆぐ, category:Chess Diary, 00:20
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3月、4月(S88)の予定
 S87のレイティングは1824(-6)。意外と下がり幅が小さかったです。
 まだ2013年の公式戦は、名古屋チェスクラブの例会で指した1局のみで、3月からようやく本格始動といったところです。
 余談ですが、会社の決算期が過ぎて、週休2日の日々が戻ってきました。学生時代は毎晩チェス盤に広げていたものですが、最近は駒に触れない日ができてしまったのが寂しかった。多忙を言い訳にするのはよろしくないですが、これで土曜日はゆっくりとチェスの時間が持てます。

 
静岡県選手権 3月3日()
 全日本への参加権を狙うために参加します。例年通りなら2枠でしょうか。3/4がボーダーラインになりそうです。
 今のところ2000+の参加者はリストに書かれていないようなので、私のような1800+の中級者でも優勝のチャンスがあると思っていますし、当然狙います。


 全日本百傑戦 3月16日()、17日()
 こちらも全日本の予選大会で、目標は4/6(勝ち越し1)を目安に頑張ります。4ポイントなら入賞は無理でも権利は回ってくるでしょう、多分…。
 万全の体調で臨むなら前泊すべきでしょうが、どうするかは前日の残業量次第です。

 確定している予定は以上です。2大会のどちらかの権利が獲得できればいいのですが、どちらもアウトなら31日開催の地方予選のどこかに出るかもしれません。

 3月10日() 
ブリッツトーナメント(名古屋チェスクラブ)
 公式戦ではありませんが、賞品も出ますし、優勝すると名古屋チェスクラブの歴代チャンピオンのページにも名前が載るのが嬉しい。
 今のところ他の予定はないので参加を前向きに検討しています。断言しないのは寝坊癖で午前中を寝潰す可能性がありそうなので…(春眠暁を覚えず

author:ゆずゆぐ, category:Chess Diary, 03:10
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GRENKE Chess Classic 2013
 選局はしないが、Tradewise Gibraltar TournamentでN.Vitiugovが、Moscow Open 2013でB.Savchenkoが優勝したことを記述しておく。

 GRENKE Chess Classic 2013
 Tataで不調だったF.Caruanaが名誉挽回の奮闘で優勝するか、と思われたが、9Rの白番でAdamsに敗れたことでAnandに追いつかれて最終日まで縺れた。そして10RはCaruanaとAnandは両者ともに黒番、まずAnandがSicilian Defenseで勝ち、これでCaruanaも勝つしかない状況で彼は1ポーン得の終盤を粘るもドロー、Anandの逆転優勝となった。

 D.Fridman vs A.Naiditsch 0-1
 GRENKE Chess Classic 2013 (6)
 King's Indian Defense: Orthodox Variation

 21...Ndf3+を皮切りにNaiditschのサクリファイスが冴えた名局なのだが、特に私の目を惹いたのは、2つのポーン捨てだ。

 

 27...f3+(上図)
 このポーンを取らせることで、黒マスBをe5-h2のダイアゴナルで活用したり、将来的にa8のRをセミオープンファイル化したf列で使うこともできる。また28.Bxf3と取らせることで白Kの退路を狭めている。

 28.Bxf3
 28.Kxf3 Ng5+は次に29...Qh3+や29...Rxh2があって指し難い。

 28...Ng5 29.Nf4
 もう29.Bg4 Qxg4+ 30.Qxg4 Bxg4で駒得を返上してでもQ交換して、黒の攻めを緩和できないかとも考えるが、31...Bh3+(Bf3+)の追撃や、h2のBが標的になっていて、止められない。

 29...Rxh2+! 30.Kxh2 Be5
 エクスチェンジサクリファイスでKを黒マスに呼び出してピン。あとf3の守りから白Kが外れたのも大きい。そこでより強力な手としてFritzは30...Qf7を挙げている。Nが逃げればの31...Nxf3+だし、Qが退いたことで眠っていた白マスBが展開可能となる。

 31.Kg2
 ピンを外すことで31...Qh3+から早逃げ。このチェックが決まれば黒の必勝と言って差し支えないので、避けるのは当然だ。

 31...Bxf4 32.Rh1 Qg7 33.Kf1 Be6 34.Nd4 Bc4+ 35.Be2 Nxe4 36.Bxc4 Ne2+ 37.Ke2 d5!


 

 一見して意味が解らなかった。普通に取り返す37...Nxc4が悪いわけではないが、f3とf1をNで抑えておくことで38...Re8+に対してKf1と引かせない。またこのポーンを取らせてBを退かせてc列を開けることで詰む。
 38.Bxd5 Re8+ 39.Kd3 Qg6+ 40.Kc3 Rc8+ 41.Kb4 Qd6+ 42.Ka4(Ka5) Qa6+ 43.Kb4 Bd6#
 いきなり37...Re8+だと38.Kd3 Qg6+ 39.Kc3で一度チェックが途切れ、白に反撃の余地を残す。
 他に37...Qxd4も考えられるが、38.Rxh7+ Kxh7 39.Qh1+ Kg6 40.Rg1+の強襲を受けきる必要があり、リスキーである。


 38.Qc2 Re8+ 39.Kd1 Nxc4 40.Qc3 Re4 41.Nf5 Nxb2+ 42.Kc2 Re2+ 43.Kb3 Qxc3+ 44.Kxc3 Be5+ 45.Nd4
.Re4 0-1
 ちなみに45.Kb3は45...Nc4で(△46...Rb2+ 47.Ka4 b5#)を避ける46.Rb1に対して46...Nd2+ 47.Kb4 Nxb1 48.Rxb1 Rxf2となりこちらもポーン数が大差。

 結局Naiditschは+3-5=2と負け越したが、引き分けに満足しないファイティングスピリットを感じる成績は、観戦していて応援したくなる。
author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 06:12
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Tata Steel Chess Tournament 2013
 Tata Steel Chess Tournament 2013
 A組はM.Carlsenが圧倒的な成績で優勝。最終日前にはすでに単独優勝を確定させていた。後半Aronianが怒涛の追い上げを見せるも、Carlsenもそれとほぼ同じぐらいに勝ちまくったので一向に差が縮まらない。結局大会中頃から影を踏ませぬ形での逃げ切りとなった。
 また今回特筆すべきはAnandの復活で、昨年は世界チャンピオンのタイトルこそ防衛したものの、主要大会の優勝から遠ざかり、Carlsen、Aronian、Kramnik等の活躍に隠れがちだったが、下記のゲームでは相性の悪いAronianを23手で退け、世界チャンピオンの器を見せつけている。


 
L.Aronian vs V.Anand 0-1
 Tata Steel Chess Tournament 2013 (4)
 Semi-Slav Defense: Meran Variation

 1.d4 d5 2.c4 c6 3.Nf3 Nf6 4.Nc3 e6 5.e3 Nbd7 6.Bd3 dxc4 7.Bxc4 b5 8.Bd3 Bd6 9.O-O O-O 10.Qc2 Bb7 11.a3 Rc8 12.Ng5 c5!
 

  
 
 12...Bxh2+ 13.Kxh2 Ng4+ 14.Kg1 Qxg5が浮かぶが、まずは白マスBの利きを通した。上記のBxh2+のアイデアはこのポジションではまだ早く、15.f3!(15.Bxh7+ Kh8 16.Be4 Qh4は黒良し) Ngf6 16.e4 Qh5と進み、白は1ポーンを代償に厚いセンターを手にしているため、それほど効果的な一撃ではない。
 ただし、Nimzowitschの言葉を借りれば『脅しは実行より、存在する方が脅威である』わけで、白はこのBxh2+を気にしなければならない。


 13.Nxh7
 b5とh7のポーンが取れそうだが、黒のBxh2+-Ng4+-Qxg5でNを取り返されるのを避けるためにg5からNを退かすこの取り方になった。

 13...Ng4 14.f4
 14.h3が堅実だが、f4-f5を目指しつつ、黒マスBの利きを遮り、h7のNをg5に帰還させる足場になるなど複数の意味を持つf4突きが魅力的に映ったのだと思う。


 14...cxd4 15.exd4 Bc5!!


 

 私がLive中継で観戦し始めた時にちょうどこの局面だった。Aronianは長考に沈む。
 16.dxc5 Nxc5で白はBの行き場に困る。次の17...Qd4+が強力だ。例えば17.Be2 Qd4+ 18.Kh1 Nf2+  19.Rxf2 Qxf2は20...Qxg2#と20...Qe1#が同時には受からない。
 正着は17.Nxf8 Qd4+ 18.Kh1 Nxd3 19.h3 Ndf2+ 20.Rxf2 Nxf2+ 21.Kh2 Kxf8で苦しいが、Fritzは一番マシと評価した。

 16.Be2 Nde5!
 Anandの冴えた好手が続く。d4を取りチェックをかけるのはBではなくQの方がより強力(
16...Bxd4+ 17.Kh1 Nf2+ 18.Rxf2 Bxf2 19.Nxf8 Nxf8 20.Bf3 Bxf3 21.Qxf2 Bb7=ではせっかくのチャンスを逃してしまう)なので、Nをd列から退かし、Qの利きを通した。
 もし17.fxe5??なら17...Qxd4+ 18.Kh1 Nf2+ 19.Kg1 Nh3+ 20.Kh1 Qg1+ 21.Rxg1 Nxf2#のスマザーズメイト(窒息詰め)。
 前述したが、黒Qf2と飛び込まれては白は必敗なので、BもNも取れない。

 

 17.Bxg4 Bxd4+

 今度は白Qの利きがf2を守っているので、黒のQはd4よりd8-h4の飛び出しを見越している。

 18.Kh1 Nxg4 19.Nxf8 f5!

 

  

 150キロの剛速球の後に110キロのスローカーブが来たような感覚。
 e6がバックワードポーンになるので見えにくいが、重要なのは20.Qh7を防ぐことで黒の攻めが継続できる点だ。
 19...Kxf8 20.Qh7は黒優勢ながら複雑化するし、19...Qh4 20.Qh7+ Qxh7 21.Nxh7 Kxh7ではエクスチェンジダウンに終わる。

 20.Ng6 Qf6 21.h3 Qxg6
 黒のQがh列、Kの頭上に来るのを少しでも遅らせようとしているが、すでに苦しい。

 22.Qe2 Qh5 23.Qd3 Be3 0-1
 決定打も洒落ている。
Anandの完勝譜だ。24...Qxh3+からの詰めを回避するにはh3の守りを継続させなければいけないが、24.Qxe3 Nxe3ではもう勝負にならない。
 
 Aronianはこの敗戦でギアを入れ替えたのか、5Rから5勝4引で最終的に単独2位まで上がった。僅差で負けるよりは完敗の方が気持ちを切り換えやすかったのだろう。翌日の休息日もプラスに作用した思う。

 Carlsenが飛びぬけていたが、AnandとAronianの成績も例年なら優勝でもおかしくかった。
author:ゆずゆぐ, category:Tournament report, 06:00
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